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新潮社
グループ:Book
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価格:¥ 1,260
ポイント:12 pt
発売日:2006-09-21
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カスタマーレビュー ![]()
未解決の問題もふくむ,さまざまな渋滞現象の解説
(2008-07-01)
おもしろい物理を一般向けに解説する本というと,むかしから寺田寅彦の本,「物理の散歩道」などを読んできたが,これは「渋滞学」というあたらしい (人間の心理などもからんでいるので物理っぽくない) 物理の解説書である.くるまやひとの渋滞だけでなく,アリやインターネット,粉つぶのながれなど,いろいろな現象をあつかっている.未解決の問題もいろいろ紹介されているので,それに挑戦するひとがでてくるとよいとおもう.
Multi Agent Simulationを考える上での入門本
(2008-05-18)
車の渋滞にとどまらず、避難や森林火災等、
Multi Agent Simulationの具体例が豊富で、しかも非常にわかりやすい。
この手のSimulationはswarmやartisoc等のapplicationを使えば、
手軽に実装できるし、かつそのプロセスも可視化できて、楽しい。
ネットワーク理論など、マーケティングへの応用が今盛んなので、
ネタとして文系の人も読んでおくといいと思う。
筆者のHPにはこれ関係のps形式の論文もdownloadできるので、
より専門的なことが知りたくなったら覗いてみることもできる。
(ただし英語)
なぜ中国自動車道上り宝塚周辺が混むのか
(2008-04-13)
中国自動車道上り・宝塚周辺は,土日の夕方以降いつも10キロ程度の渋滞になっている。別に料金所があるわけでもないのに・・・と思っていたら,実は,平成17年度の東日本の高速道路での渋滞原因のうち,料金所はわずか4%らしい(ETCの影響)。一番(35%)の原因は,「サグ部・上り坂」。
サグ部(気づかないくらい緩く上昇・下降している道)のうち上り道では,何気なく運転しているとスピードが落ち,いつのまにか車間距離が詰まってしまう。そこでブレーキをかけ出すと,列の後ろに行くにしたがってブレーキの程度が大きくなり,渋滞が発生してしまう,というのだ。
データによると,高速道路を走行している車両の平均速度は時速84キロ。これが,1キロ当たり50台(2車線の場合。1車線当たりだと,40メートルに1台の間隔)を超える辺りで渋滞が発生する。
細かく見ていくと,1キロ当たり50台を超えてもしばらくは走行速度に変化はない(メタ安定)。これは,車間距離が40メートル以下で時速84キロの走行をしている状態で,非情な緊張を強いられるから,長距離の運転はできない。そういうメタ安定な状態は5〜10分程度しか続けることができず,ある車がブレーキをかけるのを引き金にして一気に渋滞になってしまう。
なお,2車線ある場合,人は,車が混んでくると自然に右車線に移る傾向があるため,右車線の方が車が多くなって,スピードが遅くなる。
電車が「時間調整のために停車します」ということがある。
ホームが混んでいる場合,先行する電車は混雑して乗りにくいし,乗客も多いため停車時間が長くなる。次の駅でも同じである。他方,2番目以降の電車は,乗客も少ないため,速く次の駅に着く。これを放置しておくと,次々来る電車がダンゴ状態になってしまい,放っておいても自然にはもとに戻らない。
これを,電車を一定時間停車させて,電車間の距離を確保しておくと,ダンゴにならずに済む。
「急がば回れ」である。
本書は,高速道路に限らず,インターネットや人ごみなど,色々な「渋滞」の原因と対策を科学的に検討していく本であり,「そうだったのか」という発見も多かった。
見えない自然の力を理論に
(2008-03-09)
生き物たちや人、人が操作する車、そういった物が沢山存在すると、密なところと疎なところが必ずできてきます。気持ちのいい密な状態もあれば、効率を落とす一方の密な部分もある。著者は、こういった感覚的にとらえていた物のも、理論や数式で考えていく事が可能である事を示しています。そして、数式やコンピュータの限界もあわせて併記されています。本書は、自己駆動粒子である我々が、摩擦無く細い部分をうまくすり抜けて、効率を落とす密な状態の渋滞を避けて暮らしていけるヒントを与えてくれています。きっと難しい理論が後ろに控えているでしょうに、とても面白い。人に直観的に物事を伝えてくれる親切さを伴っており、著者のユーモアが効いています。良い本です。久しぶりにうなりました。
工学から理学が立ち上がる
(2008-02-07)
前から断片を聞いて面白そうだった話題が書店に平積みになっていたので買って読んでみた。
「渋滞」という切り口で、道路の渋滞、バスの団子運転、避難時間、パケットルーティング、森林火災の延焼分析など、様々な現象を取り上げてあるのはなかなか興味深かった。「どう見ても工学」からの発想が、「新しい理学」を切り開いて行く姿が見えるのだ。
ただ、個々の話題の中で本当に面白かったのは、道路の渋滞の話題だけだったかも。それ以外は、全体に駆け足で説明不足感が免れなかった。まあ、それでも、これだけのボリュームになるんだから、しかたない。
最後の理学工学論もご愛嬌かな。言いたい気持ちはよく分かる。直接言わずに伝われば良いんですけどね。

